
ファッションブランド「TELMA」の2025 春夏コレクションへ京セラのインクジェット新技術を採用
ファッションブランド「TELMA」へ当社の環境にやさしい捺染インクジェットプリンター「FOREARTH(フォレアス)」でプリントした生地を提供し、Rakuten Fashion Week TOKYO で発表されました。
9月2日(月)、TELMAが渋谷ヒカリエ9階のヒカリエホールAにて初のランウェイ形式でショーを開催し、全40体のルックのうち、全体の3分の1で京セラドキュメントソリューションズのFOREARTHでプリントされた生地が使用※されました。
テキスタイルへのこだわりをもつTELMAデザイナーの中島 輝道氏が今回のショーでこだわった1つとして、アセテート生地への印刷があげられます。アセテート生地は木材パルプを主な原料とした半合成繊維の生地であり、シルクのような美しい光沢感とドレープ性に加え、ふんわりとした弾力性をともなっていることからスカーフやスカートなどに多く使われます。しかし、従来のアセテートへの染色では、熱に敏感な生地であることから染色プロセスでの温度と時間の管理が難しく、また染料の不均一な粒子サイズや分散性により発色不良や色ムラなどの問題が発生します。一方で、FOREARTHで使用している顔料では高温での処理を必要としないため、アセテートの熱に敏感な特性に対しても適しており、色の発色も鮮やかで色の再現性や色均一性などの課題を解決しています。
※6種類(アセテート、レーヨンポリエステル混紡、シルクシフォン、ポリエステルシフォン、ポリエステルサテン、ナイロンオーガンジー)の生地に、10種類のデザインを印刷

中島 輝道氏からのコメント
今回、初めて東京でランウェイという形式でコレクションを発表することになり、私の自己紹介のような発表にしたいという想いがありました。ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、ファッションブランド「ドリス・ヴァン・ノッテン(ベルギー)」でキャリアをスタートしました。そういった面で、西洋の美意識と東洋の美意識を混ぜて、日本が誇る人の手仕事によって何かを作るということをコンセプトにしました。
今までアセテート生地への印刷は高温で処理しないとしっかりと発色できないため、生地を使いたくても使えない状況でした。今回、FOREARTHで印刷されたアセテート生地を見て、大変驚かされました。発色の良さはもちろんのこと風合いも兼ね備えた部分に可能性を感じました。今までは難しいと考えられていたシルクやポリエステルなど生地の素材を選ばないところにFOREARTHの可能性を感じましたし、デザインの壁を越えられるような気がしました。
また、環境性に配慮しているところに大変共感を持ちました。水の使用を従来と比較して99%削減するなどFOREARTHのサステナブルと品質を両立した技術革新に感銘を受けました。今回、40の衣装を制作しましたが、多様な生地に多様なデザインをスピーディに印刷していただき、FOREARTHの機動力を感じることができました。
今後、FOREARTHの先進的な環境を配慮した印刷技術はアパレル業界でも大変活躍すると思います。今までの技術では風合いの問題や加工の限界というものがありましたが、FOREARTHは人が着るということを前提にした品質の高さをしっかりと確立されているところに今後の可能性を大きく感じました。

「FOREARTH」で印刷した生地が使用されているルック一覧
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