サステナビリティ
環境配慮設計の考え方
- 基本的な考え方
- 長寿命設計
- 省エネ設計
- 省資源設計
- オフィス環境への配慮
- 製品の環境負荷評価
基本的な考え方
環境配慮設計の取り組み
当社は、部品交換や廃棄を抑制する長寿命設計を基本とし、リデュース・リユース・リサイクル(3R)の考え方を取り入れることで、資源の有効活用と廃棄物の削減に取り組んでいます。
また、低消費電力設計によりエネルギー使用量を削減し、温室効果ガス排出の抑制を通じて、環境負荷低減に貢献しています。
さらに、有害化学物質の使用を抑制・管理することで、製品の安全性を確保するとともに、環境および人への影響を最小限に抑える設計を推進しています。
環境配慮アセスメントの実施
当社は、新製品の開発初期段階から「環境配慮設計基準」に基づいた設計を行っています。設計段階では、以下項目について目標を設定し、製品開発を進めています。
| ・ | 部品の寿命延長 |
| ・ | 消費電力の削減 |
| ・ | 部品点数および製品重量の削減 |
| ・ | 再生材料使用率の向上 |
| ・ | リサイクル時における分解・素材分別の容易化 |
| ・ | 有害化学物質の抑制・管理 |
また、素材選定においては、再生材や環境認証を取得した素材の活用を推進し、持続可能な資源利用の実現を目指しています。
環境配慮アセスメントにおける6つの評価項目
上記の設計方針に基づき、以下の評価項目に沿ってアセスメントを実施し、環境配慮型製品の開発を推進しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 長寿命化設計 | 部品の耐久性向上や交換頻度の低減により、製品の長期使用を可能にします |
| 省資源・省エネルギー設計 | 資源の使用量およびエネルギー消費を削減し、環境負荷の低減を図ります |
| 3R設計(リデュース・リユース・リサイクル) | 資源の有効活用と廃棄物削減を推進します |
| 分解・分離・分別容易化設計 | リサイクル時における分解および素材分別を容易にする構造を採用します |
| 有害化学物質の管理 | 人体および環境への影響を最小限に抑えるため、化学物質の使用を抑制するとともに、関連法規に基づき適切に管理します |
| 低環境負荷材料の活用 | 再生材や環境認証取得素材など、持続可能な資源の積極的な活用を推進します |
これらの項目に基づく設計を通じて、製品開発にとどまらず、製品の包装および物流においても環境配慮の取り組みを継続的に実施しています。
長寿命設計
長寿命設計は、京セラドキュメントソリューションズの環境配慮製品開発を支える中核技術です。
主要部品の耐久性向上により、部品交換や廃棄物の発生を抑制し、資源使用量の削減、CO₂排出量の低減、TCO※1の最適化に貢献しています。
ここでは、長寿命化を実現する代表的な技術をご紹介します。
※1 Total Cost of Ownership:製品の導入から使用・保守、廃棄までにかかる総所有コスト
長寿命a-Si感光体ドラムの開発
エコシスコンセプトの根幹を成す a-Si(アモルファスシリコン)感光体ドラムは、表面保護層にダイヤモンドに近い硬度を持つ 高硬度で耐久性に優れたa-C(アモルファスカーボン)系薄膜を採用し、感光体ドラムの寿命は100万枚以上の耐久性を実現しています。
さらに、最表面層にドラム表面にサブミクロンサイズ(1万分の1ミリメートル)の微細凹凸形状を形成し、クリーニングブレードとの摩擦を約30%低減、周辺デバイスの長寿命化をはかり、感光体ユニットとして業界No.1※2の60万枚の長寿命を実現しています(Φ30mm 感光体ドラム)。
また、摩擦を低減することで 感光体ドラム駆動時の電力も30%削減し、CO2排出量削減に大きく貢献しています。
a-Si 感光体は 光感度が速く高速エンジンへの搭載を可能とし、またレーザー光により形成される静電潜像がシャープであることから、より高精細な画像形成を行うことを得意とします。
※2 2026年5月時点、当社調べ
長寿命a-Si感光体ドラム
長寿命a-Si感光体ドラムの構造図
長寿命PSLP有機感光体ドラムの開発
複合機・プリンターに使用される感光体ドラムとして、一般的な有機感光体(OPC)とは異なり、正帯電で用いることのできる「正帯電単層有機感光体ドラム:PSLP※3」も製品化しています。
このPSLPドラムは、表面層の摩耗により感光体特性のバランスが変化し易い、一般的な多層構造の負帯電型OPCドラムと異なり、単層構造であるために、摩耗が進んでも感光体特性のバランスが維持され、長期間安定した性能を保つことができるという特徴を有しています。
さらに、このドラムに当社独自の長寿命化技術を組み合わせることで、一般的なOPCドラムと比較して10倍以上の長寿命化を実現しています。
また、PSLPドラムは、一般的なOPCドラムにくらべて製造工程が極めて単純であるため、製造時のエネルギーは、同規模の一般的なOPCドラム製造工程の約1/3に抑える事ができます。これにより、製造工程におけるCO2の排出削減にも大きく貢献しています。
※3 Positive-charged Single Layer Photoconductor
PSLPドラムの構造図
プリントヘッドの長寿命化
インクジェットプリンターでは、プリントヘッド表面で乾燥したインクや汚れを効果的に除去し、良好な印字品質を維持することが重要です。
商業用インクジェットプロダクションプリンター「TASKalfa Pro 15000c」では、乾燥したインクを溶解する独自開発のクリーニング液を採用しています。図に示すように、ヘッド端部に設けた専用ノズルからクリーニング液を供給し、ゴム製のブレードでヘッド表面を拭き取ることで、付着したインクや汚れを効果的に除去します。
さらに、クリーニング液による仕上げ洗浄やブレード洗浄機構を組み合わせることで、ヘッド表面の高い洗浄性能を実現しました。その結果、長期間にわたって安定した印字品質を維持できるようになり、メンテナンスフリーで6,000万枚の印字を可能としています。
また、本洗浄システムによりメンテナンス回数を削減することで、メンテナンス時に発生する廃液量の低減や水資源の保全に貢献し、環境負荷の低減にも寄与しています。
こうしたプリントヘッドの長寿命化技術と独自インクの開発は、技術的な先進性と高いサステナビリティが評価され、「令和3年度日本画像学会技術賞」を受賞しました。
プリントヘッドクリーニングのイメージ
省エネ設計
当社の複合機・プリンターおよび商業用インクジェットプロダクションプリンターでは、消費電力の多くを、FAX待機やLAN接続などのために常時使用される待機時電力と、印刷時にトナーやインクを紙へ定着させる際の電力が占めています。
当社では、これらの電力消費を低減するため、省エネルギー性能の向上に向けたさまざまな技術開発を行い、製品へ搭載しています。
新製法トナーの開発
当社は、これまで培ってきた混練粉砕法を基盤に、新たなトナー製造技術を開発しました。本技術では、トナーのコアとなる母粒子の表面に、湿式プロセスで薄いシェル層を形成します。
この独自技術により、トナーの粘度を大幅に低減し、従来トナーに比べて約30℃低い温度での定着を実現しました。これにより、定着工程における(印刷時にトナーを紙へ定着させる際の)エネルギー消費を大幅に削減し、省エネルギー化に貢献しています。
さらに、省エネ性能に優れた定着システムとの組み合わせにより、当社のさまざまな製品で環境負荷の低減を実現しています。
新製法トナーのイメージ図
従来トナーと新製法トナーとの、温度に対する粘度の変化および定着可能範囲の比較
低消費電力インクの開発
商業用インクジェットプロダクションプリンター「TASKalfa Pro 15000c」に使用されている独自開発の水系顔料インクは、用紙への浸透性が高く、印字後の乾燥性に優れているため、紙へインクを定着させる際のエネルギー消費を削減しています。
また、独自開発インクは、材料選定の工夫により、高速印刷時におけるVOC(揮発性有機化合物)排出量の低減を実現しました。
オフセット印刷などのアナログ方式による商業印刷では、印刷で発生するVOCの排出基準に適合させるため、排気ダクトやVOC回収・処理装置などの設備が一般的には必要です。
一方、「TASKalfa Pro 15000c」は、独自開発インクの採用により、大量印刷時においてもVOC排出量を低減しているため、VOC処理設備を必要とせず、環境負荷の低減に貢献しています。
省エネコントローラーの開発
消費電力の低減やCO₂排出量の削減が求められる中、オフィスで使用される複合機やプリンターにおいて、待機時消費電力の削減は重要なテーマとなっています。さらに、待機状態から印刷を開始する際には、お客様の操作性や生産性を損なわない高速復帰性能も求められています。
当社が開発した省エネコントローラーは、複合機やプリンターの待機時消費電力を必要最小限に抑えるとともに、待機状態からの高速復帰を実現しています。
この省エネコントローラーを搭載した複合機やプリンターは、お客様の操作性や生産性を損なうことなく、業界トップクラスとなる待機時消費電力を実現しており、さらに一部の製品では0.3Wという低い待機時消費電力を達成しています。
新開発の省エネコントローラー
省エネ面状ヒーターの開発
定着ベルトと加圧ローラーで形成された定着ニップ部にベルト内側から面状ヒーターを接触させて熱を供給する定着器を開発しました。
ニップ部を直接加熱する構成を採用することで、立ち上がり時および印刷動作時の消費電力削減に大きく貢献しています。
面状ヒーター
省資源設計
使用済トナーコンテナの再利用
2016年7月に販売を開始したカラーA3複合機「TASKalfa 6052ciシリーズ」では、使用済みとなったブラックトナーコンテナを、廃トナー回収タンクとして再利用できる機能を採用しています。
従来、廃トナーの回収には専用の回収タンクが必要であり、満杯になった際には新しい回収タンクへの交換が必要でした。
本製品では、使用済みトナーコンテナを廃トナー回収タンクとして再利用することで、部品点数の削減を実現し、省資源化およびコスト削減に貢献しています。
使用済トナーコンテナをトナー回収タンクとして再利用
板金使用量の削減
CAEを活用した省資源設計と軽量化
カラーA4複合機「ECOSYS M6535cidn」のフレームは、板金部品で構成されています。当社では、板金使用量の削減と製品の軽量化を図るため、CAE※4による構造解析を活用し、強度を確保しながら最適なフレーム形状を設計しています。
その結果、従来機と比較して約20%の軽量化を実現しました。
図は、CAEによる構造解析を活用した形状最適化の例を示しています。矢印はねじれ方向を表し、色の変化は板金にかかる応力の大きさを示しています。赤色に近いほど応力が大きく、青色に近いほど応力が小さいことを表しています。
解析の結果、応力が集中する部分は板金を厚くするなど局所的に補強し、一方で応力の小さい部分は板金を可能な限り薄くすることで、必要な強度を維持しながら板金使用量の削減を実現しました。
※4 Computer Aided Engineering: 工業製品の設計・開発工程を支援するコンピュータシステム
構造解析による板金使用量の削減
パイプフレーム構造の開発
従来の本体フレームは主に板金部品で構成されていましたが、新たにパイプフレーム構造を採用しています。
従来の板金を主体とした構造に対し、角パイプを用いた骨格構造へ変更することで、強度・剛性を確保しながら板金部品の使用量を削減するとともに、フレームの軽量化を実現しています。また、製品全体の重量低減にもつながり、資源使用量の削減による製造時の環境負荷低減に貢献しています。
さらに、軽量化により輸送時のエネルギー消費やCO₂排出量の削減にも寄与しています。
包装材削減の取り組み
当社では、包装材の脱プラスチック化を推進しており、段ボールに加え、古紙をリサイクルして製造されるパルプモールドを積極的に活用しています。
また、包装材使用量の削減や輸送効率の向上を目的として、緩衝材の構造や形状を最適化し、包装の軽量化・コンパクト化にも取り組んでいます。
例えば、従来は緩衝材をすべて段ボールで構成していましたが、緩衝部分にパルプモールド、保持部材に段ボールを採用する構造へ変更することで、緩衝材使用量を72%削減しました。
さらに、紙製緩衝材の課題である繰り返し衝撃による緩衝性能の低下を抑制した包装技術の開発にも取り組んでいます。
これらの取り組みが評価され、当社の包装設計は日本パッケージングコンテストおよびWorld Star Awardsにおいて複数回受賞しています。
「2025日本パッケージングコンテスト」を受賞した包装
再生PET採用への取り組み(コンテナボトル)
当社は、積層セラミックチップコンデンサの生産工程で発生する廃PETフィルムをリサイクルPET材料として再生し、複合機やプリンターの部品へアップサイクルする技術を業界で初めて確立しました。
図に示すように、再生されたPET材料はトナーコンテナなどの樹脂部品に活用されています。これにより、トナーコンテナにおいて樹脂部品の再生材使用率62%を実現しました。
また、従来は焼却処理されていた廃PETフィルムを有効活用することで、資源の循環利用を促進するとともに、焼却に伴うCO₂排出量の削減に貢献しています。
木材使用量の削減(木製スロープ材を削除)
従来は専用部材として使用していた3.5kgの木製開梱用スロープを、包装部材およびパレット構造の一部を活用した構成へ変更することで、荷降ろしの機能を維持しながら資源使用量の削減を実現しました。これにより、製品全体の軽量化と省資源化を達成しています。
また、スロープ専用部材の収納スペースが不要となったことで、梱包容積を従来比で約16%削減し、輸送効率の向上および環境負荷の低減に貢献しています。
オフィス環境への配慮
省資源化や省エネルギー化に加え、お客様が快適に利用できるオフィス環境への配慮も重要な設計テーマです。当社の複合機・プリンターは、省スペース設計に加え、機器の近くで働く方への負担を軽減する静音設計や、静かな環境での使用に配慮した静音モードなど、さまざまな機能を備えています。
静音設計
当社は、快適なオフィス環境の実現に向けて、製品の静音化に取り組んでいます。
ファン配置最適化設計
カラーA4複合機「ECOSYS MA2600cwfx」では、発熱部品の配置や機内の空気の流れを最適化することで、効率的な冷却を実現しています。
図に示すように、機内のエアフロー設計を見直すことで、従来機では4個必要であった冷却ファンを1個まで削減しました。これにより、冷却ファンの動作音を低減するとともに、省エネルギー化および部品点数の削減にも貢献しています。
ECOSYS MA2600cwfxの機内における風の流れ
水冷システム搭載
トナーの劣化を抑制し、安定した画像品質を維持するため、当社は現像ユニットの冷却に水冷システムを採用しています。
本システムは、水冷タンク、熱交換器、ラジエーター、ポンプおよび配管で構成されており、冷却水を機内で循環させることで、現像ユニットから発生した熱を効率的に放熱します。
これにより、現像ユニットの温度上昇を抑制し、連続印刷時においても安定した画像形成を実現しています。
また、水冷方式の採用により冷却ファンの使用数を削減し、図に示すように現像ユニット用冷却ファンを従来の8個から3個へ削減しました。これにより、動作音の低減を実現し、快適なオフィス環境の構築に貢献しています。
現像ユニットの水冷システム
冷却ファン
本体駆動モーター削減
カラーA4複合機「ECOSYS MA2600cwfx」では、プロセスユニットおよび給紙搬送ユニットの徹底した低トルク化により、少ないモーターで駆動できる構造を実現しています。
図に示すように、作像系と搬送系の駆動をそれぞれ集約することで、本体駆動モーターを作像駆動モーター1個と搬送駆動モーター1個の合計2個まで削減しました。
これにより、従来機と比べてモーター使用数を削減するとともに、駆動時の騒音低減、部品点数の削減に貢献しています。
本体駆動モーター削減
音の大きさの比較
| 未搭載機 | 搭載機 | 倍率 | |
|---|---|---|---|
| カラーA4複合機 ECOSYS FS-C2626MFP | カラーA4複合機 ECOSYS MA2600cwfx | ||
| 音圧レベル | 50.0デシベル | 49.0デシベル | 0.89倍 |
| 音響パワーレベル | 61.7デシベル | 60.1デシベル | 0.69倍 |
静音モードの搭載
当社のカラーA4複合機・プリンターでは、動作音を抑える「静音モード」を搭載しています。
使用環境に応じて、常時静音モードを使用する設定や、ジョブ単位で静音モードを適用する設定を選択することができ、お客様の利用シーンに合わせた柔軟な運用が可能です。
静音モードを使用することで、動作音を45~47デシベル※5まで低減し、静かなオフィスや共有スペースにおいても快適に利用できる環境づくりに貢献しています。
※5 40デシベルは図書館や深夜の住宅地程度、50デシベルは静かな事務所程度の音の大きさの目安とされています。
音の大きさの比較
| モデル | 音の大きさ | |
|---|---|---|
| 通常モード | 静音モード | |
| ECOSYS MA2600cwfx/PA2600cwx | 49デシベル | 44デシベル |
| ECOSYS MA3500cifx/PA3500cx | 51デシベル | 47デシベル |
| TASKalfa MA3500ci | 51デシベル | 47デシベル |
| ECOSYS PA4500cx | 54デシベル | 50デシベル |
コンパクト設計
本体のコンパクト化
2023年9月に販売を開始したカラーA4複合機「ECOSYS MA3500cifx」およびカラーA4プリンター「ECOSYS PA3500cx」では、各ユニットの小型化とレイアウトの最適化により、本体の低背化を実現しました。
主な取り組みとして、CISモジュールの採用によるスキャナー部の低背化、短焦点fθレンズの採用によるレーザー走査光学系の小型化、高精度な搬送速度制御による搬送路の短縮、ならびに排出ユニットの冷却性能向上による小型化を行っています。
これらの技術により、従来機と比較して本体高さを低減し、設置性を向上させました。また、デスクトップ設置時における操作パネルの視認性向上や、原稿台およびドキュメントフィーダーへの原稿のセット・取り出し作業のしやすさにも貢献しています。
マシンサイズの比較
| 未対策機 | 対策機 | 効果 | |
|---|---|---|---|
| カラーA4複合機 ECOSYS M6635cidn | カラーA4複合機 ECOSYS MA3500cifx | ||
| 全高[mm] | 620 | 575 | 7.2%削減 |
| 体積[L] | 171.71 | 159.39 | 7.1%削減 |
エンハンスメント機器のコンパクト化
カラーA3複合機「TASKalfa MZ 10500シリーズ」に装着されるエンハンスメント機器では、従来フィニッシャーと並列に配置されていた折りユニットやインサータなどの追加オプションについて、フィニッシャー内部への内蔵化および上方配置へと構成を見直しました。
各機能を垂直方向に集約することで装置全体の占有スペースを削減しています。
これにより、フルオプション装着時における設置面積を、従来機※6と比較して約35%削減しました。
本設計により、オフィススペースの有効活用に貢献しています。
※6 DF-7150+ZE-7100+AK-7120との比較(トレイ収納時)
オゾンフリー設計
当社製品には、a-Si(アモルファスシリコン)感光体ドラムやPSLP有機感光体ドラムなど、正(プラス)帯電方式に対応した感光体を採用しています。
図に示すように、正帯電感光体とローラー帯電方式を組み合わせることで、従来の帯電方式と比べてオゾンの発生を大幅に抑制しています。これにより、オゾン発生量を極めて低いレベルまで低減し、オフィス環境への影響を軽減しています。
当社は、このオゾンフリー設計を2010年から導入し、快適で環境負荷の少ないオフィス環境の実現に取り組んでいます。
オゾンフリー設計図
製品の環境負荷評価
京セラドキュメントソリューションズでは、製品ライフサイクル全体での環境負荷を把握し、継続的な改善につなげるため、すべての製品でライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しています。資源採取、製造、輸送、使用、廃棄・リサイクルの各段階を定量的に評価することで、環境負荷の高い工程を特定し、より効果的な環境配慮設計を推進しています。
LCAとは
LCAとは、製品やサービスを、資源の採取から製造、輸送、使用、廃棄・リサイクルの各ステージで使われた資源やエネルギー、排出物の量を数値で表し、環境に与える負荷を「見える化」する手法のことです。温暖化や資源枯渇といった環境影響度の「見える化」によって、事業における環境負荷低減活動の計画や成果を客観的に評価できます。 LCAは国際標準化機構(ISO)において、算出方法はISO14040とISO14044で、公開方法はISO14025で規定されています。当社は、ISO規格に基づくLCA手法を用いたタイプIII環境ラベルとして国内唯一の「エコリーフ環境ラベル」を取得しています。 LCAを実施するためのデータ集積システムを構築し、エコリーフのシステム認証を取得したことにより、製品のLCAの継続的な実施や、エコリーフ環境ラベルのタイムリーな公開が可能となりました。
ライフサイクルステージ
LCAにより期待される効果
LCAの実施によって、以下のような効果があります。
| 1. | 効果を数値で表せるため、複数の環境対策から最適な技術を選択できる。 |
| 2. | ライフサイクルのステージごとに環境影響度が「見える化」できるため、環境負荷の低減効果の高い項目が評価できる。 |
| 3. | ライフサイクルのステージごとの環境影響度が分かるため、ひとつの問題からもたらされる新たな環境負荷や、他のステージへの波及・移行を防止できる。 |
| 4. | 環境負荷に対する対策・効果を数値で表せるため、科学的・客観的な環境政策のための意思決定の根拠が得られる。 |
| 5. | 製品の販売を開始するステージでLCAデータをWeb上で公開できるため、環境情報をタイムリーに提供、公開できる。 |
LCAにおける各ライフステージの環境負荷削減の取り組み
| 項目 | 従来機 | 新製品 |
|---|---|---|
| カラーA3複合機 TASKalfa 4052ci | カラーA3複合機 TASKalfa 4053ci | |
| 印字速度(枚/分) | モノクロ 40 カラー 40 | モノクロ 40 カラー 40 |
| 製品重量(kg) | 95 | 95 |
| 生涯印字枚数(枚) | モノクロ 480,000 カラー 480,000 | モノクロ 480,000 カラー 480,000 |
| 発売日 | 2016年7月 | 2019年1月 |
評価事例
評価結果
新製品のカラーA3複合機「TASKalfa 4053ci」は従来機のカラーA3複合機「TASKalfa 4052ci」にくらべ、ライフサイクル全体で17%の温暖化負荷を削減しています。製品の温暖化負荷は、素材製造、待機時や稼働時の使用電力とトナーなどの消耗品が大半を占めていることが分かります。当社は、それらのライフステージにおいて温暖化負荷を削減するためにさまざまな取り組みを行っています。TASKalfa 4053ciでは、包装材料の削減により、素材製造のステージについて6%、使用のステージのうち消耗品関連について45%の温暖化負荷をそれぞれ削減することができました。
技術者向け環境教育
環境配慮製品の設計を進めるためには、なぜ環境配慮設計が必要なのかを十分理解した上で設計をしなければなりません。技術部門の若手技術者に対しては、社内における化学物質管理の体制や3R※7、各国の環境ラベル、LCAの概要について教育を行うとともに、機種開発担当者に対しては、より実務に即した内容の教育(各国の環境ラベルおよび要求事項、環境配慮設計基準、LCAの算出方法など)を行っています。
※7 3R:Reduce(削減)・Reuse(再使用)・Recycle(再資源化)
若手技術者に対する主な教育内容
| ・ | 京セラドキュメントソリューションズ社内の化学物質管理体制 |
| ・ | 3Rについて |
| ・ | 各国の環境ラベル |
| ・ | 各国の省エネ規制 |
| ・ | LCAの概要 |
機種開発担当者に対する主な教育内容
| ・ | 各国の環境ラベルおよび要求事項 |
| ・ | 環境配慮設計基準 |
| ・ | LCAの算出方法 |
| ・ | 京セラドキュメントソリューションズ社内の化学物質管理体制 |