サステナビリティ

生物多様性保全

生物多様性への取り組み


 生物の多様性がもたらすさまざまな恵みにより、私たちのいのちや暮らしは支えられています。これからも持続的にこれらの恵みを享受するためには、私たちの事業活動において生物多様性に与える影響を調査し、それらの負の原因を取り除いていかなければなりません。
 当社は「共に生きる(LIVING TOGETHER)」をすべての企業活動の基本におき、2012年より生物多様性保全活動を環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)の活動に組み込み、本社、枚方工場、玉城工場の各事業所で「生物多様性リスク調査」を実施し、計画的に改善を図る活動を推進しています。
 また当社では、グリーン調達活動に加え、サプライチェーン上の環境リスクを軽減するため、「京セラドキュメントソリューションズ サプライチェーンCSR調達ガイドライン」、「京セラドキュメントソリューションズ サプライチェーンCSR調達チェックシート」を用いて、サプライヤー各社に対して生物多様性への配慮を促すとともに、その保全に関する取組み状況を確認しています。
 また、潜在的なリスクの改善に向け、要注意外来植物の駆除などを継続して実施しています。

サプライチェーンCSR調達ガイドライン 生物多様性保全項目抜粋


生物多様性
 生物の多様性がもたらすさまざまな恵みにより、私たちのいのちや暮らしは支えられています。これからも持続的にこれらの恵みを享受するためには、参加企業の事業活動において生物多様性に与える影響を調査し、それらの負の原因を取り除いていかなければなりません。使用する原材料は、生物の生息地を破壊したり天然の生物資源を過剰に使用したりしていないものとするなど、生物多様性に配慮した調達につとめ、輸送においても外来種を輸送、拡散することがないようにしなければなりません。事業活動においては、生物多様性への直接的な影響を少なくするよう、取水、排水、排気、廃棄物、騒音、振動、光など、操業に伴い生態系に直接的な影響を与える事項については、環境マネジメントシステムに組み込むなどして適切に管理するなど、人の健康だけではなく、生物に対する影響に配慮しなければなりません。事業所の敷地は緑地整備を行い、雨水はできる限り敷地内で利用し、排水においても汚染物質を流入させないなど、直接的な影響を少なくするように配慮しなければなりません。

2024年度目標と実績


2024年度目標2024年度実績
新たな生物多様性保全活動を6件以上 新たな生物多様性保全活動を6件

2025年度目標


2025年度目標
新たな生物多様性保全活動を6件以上

※  対象範囲:京セラドキュメントソリューションズ 本社/枚方工場/玉城工場・
        京セラドキュメントソリューションズジャパン・中国工場・ベトナム工場


主な取り組み


蜂の保全活動の実施


 ドイツとイギリスの販売会社では、生態系保全への貢献を目的として、ミツバチの生息環境を守る取り組みを行っています。
 近年、国連食糧農業機関(FAO)によると、ミツバチや鳥など受粉を担う「ポリネーター」の減少が進むことで、世界の主要作物の生育に影響が出る可能性が指摘されており、食糧生産への影響が懸念されています。当社の取り組みはこうした課題に応えるものであり、都市部や事業所敷地をポリネーターの生息地として活用することで地域の生物多様性の保全に寄与することを目的としています。
 ドイツ販売会社は、蜂の生息地保全活動を行う環境保護団体「Beefuture」と協力し、本社敷地内に巣箱を設置し、専門家による飼育指導を受けながら持続的な運営を行っています。イギリス販売会社でも本社屋上に巣箱を設置し、地域の養蜂家の協力のもと、約10万匹のミツバチの飼育を通じて地域の受粉サービスの維持に貢献しています。これらの活動は単に巣箱を設置するだけでなく、周辺環境の花資源の整備、社員や地域向けの啓発を含む総合的な取り組みとして展開しています。今後も各拠点は養蜂活動の継続・拡大を図りつつ、外来種対策や農薬影響の低減、地域との連携による緑地整備などを通じて、持続可能な地域環境保全に寄与してまいります。

ドイツ拠点での蜂の保全活動の様子 ドイツ拠点での蜂の保全活動の様子
イギリス イギリス拠点での蜂の保全活動の様子

海洋生態系の保全を目的とした清掃活動の実施


 ベトナム工場では毎年、工場から約30km離れたドーソン海岸で、海洋生態系の保全を目的とした清掃活動を実施しています。
 世界的にプラスチックごみによる海洋汚染が深刻化する中、地域の環境意識向上と海岸美化を目指す取り組みとして行っており、毎回100名を超える社員が参加して漂着したプラスチックごみや生活廃棄物を回収しています。回収したごみは現地自治体や環境団体と連携のうえ適切に分別・処理しており、活動前には安全指導や保護具の配布を行うなど参加者の安全確保にも配慮しています。海岸に漂着したプラスチックごみや生活廃棄物を回収することで、地域の環境保全に貢献するとともに、参加した社員の環境意識やの向上、チームワークの醸成にもつながっており、今後も継続的な実施と地域との連携強化を通じて持続可能な海洋環境の保全に取り組んでまいります。

ドーソン湾の清掃を行う社員たち
清掃活動の参加者

淀川生物多様性保全活動への参加


 本社および枚方工場では、大阪府淀川流域で行われる自然再生活動に参加し、生物多様性の保全に取り組んでいます。
 この活動は、市民団体・研究機関・行政が連携するネットワーク団体「イタセンネット」が主催しており、国の天然記念物であり絶滅危惧種でもあるイタセンパラと、その生息地である淀川ワンドの保全を目的とした活動に貢献しています。社員は河川敷の清掃や外来生物や外来植物の除去といった現地での作業に参加しています。
 活動後にはイタセンネットのスタッフから淀川流域の生態系や保全活動の意義について説明を受ける機会を設けており、実作業と学習を通じて社員の環境意識や地域環境保全への理解を深めています。これらの取り組みを通じて、当社は河川敷の生物多様性維持や外来種対策に寄与するとともに、地域と連携した持続的な環境保全活動を今後も継続してまいります。

保全活動の様子
イタセンパラ

子どもたちが自然を学ぶ「ビオトープ見学会」の支援


 玉城工場は、環境保護団体「清(すが)し有田佐田沖環境保全会」と里地里山の保全・再生の取組に関する協定書を締結し、ビオトープ再生活動を行っています。以前、田んぼであった土地の除草・間伐や植物の植え付け、水路の整備などの活動を行った結果、希少動植物の生息が確認されています。これらの活動は、湿地や周辺環境の保全、土壌や水資源の改善といった生態系の維持向上にも寄与しています。
 また、ビオトープ再生と並行して、子どもたちが自然を学ぶ観察会の開催を支援しており、現地での解説や観察用具の提供、事前の安全指導を通じて学習効果と安全性を確保しています。今後も地域団体や学校と連携しながら、定期的な保全活動と長期的な管理計画、調査結果の共有を進めることで、地域に根ざした里地里山の再生と次世代への自然教育の継続的な提供を目指してまいります。

見学会の様子

植樹活動の実施


 ベトナム工場では、敷地内にベトナム固有種であるサウの木を植樹しています。
 サウの木は高さ5〜10mにもなる常緑樹で、美しい葉や耐久性の高い木材が評価され、街路樹としても利用される樹種です。
 この植樹活動を通じて、工場敷地内の景観向上と緑豊かな環境づくりを目的として行っており、植樹後は定期的な水やり・剪定・害虫対策など適切な管理を実施しています。これにより周辺の生物多様性の保全や土壌浸食の防止、日陰の創出や二酸化炭素の吸収といった環境面での効果も期待されています。今後も維持管理を継続し、地域の緑化や持続可能な環境づくりに寄与してまいります。

サウの木を植樹している様子