品質・顧客満足度向上への取り組み
企画・開発・製造・販売・使用・サポート・回収にわたるライフサイクルの全プロセスで「お客様第一主義」を貫いています。
品質方針
京セラグループでは、お客様に満足していただける品質をつくり出すために、「京セラ品質方針」を定めています。世界中から信頼される企業となるためには、全部門が方針にもとづいた、正しい仕事を追求していかなければなりません。「品質の世界リーダー」をめざして、最初から正しく仕事をするためにはどうすればいいかを京セラグループの全社員が、それぞれの立場で追求し続けています。
京セラ品質方針
- 1. 地球環境・製品安全を最優先とする。
- 2. 顧客第一に徹し、魅力ある製品・サービスを提供する。
- 3. 最初から正しく仕事をし、品質の世界リーダーとなる。
製品安全方針
「京セラグループが生産・販売するすべての製品は、安全性を最優先とし、どのような形であれ、人の生命・身体や財産に危害を与えるものであってはならない」との考えから、品質方針に加え製品安全方針を定めています。また、企業活動のすべての段階での具体的な行動基準となる「製品安全システムの指針」と、安全表示に関連する国際基準を理解するための補助的な指針となる「製品安全表示に関する指針」を制定しています。
京セラ製品安全方針
- 1. 製造物責任・製品安全に関する最新情報に精通する。
- 2. 世界をリードする製品安全基準を保持する。
- 3. 製品安全をマニュアルに従って組織的に実践する。
品質マネジメント体制
京セラグループでは(日本国内)、お客様品質関連指標の改善ならびに品質情報の共有による品質問題の未然防止、再発防止をはかるため、社長を委員長とした「京セラグループCS※向上委員会」を定期的に開催しています。ISO 9001を基礎とした品質マネジメント体制を確立し、各事業部門で品質目標の設定と、その達成に向けた改善活動を行っています。さらに、種々の品質関連研修によって、継続的にレベルアップをはかっています。本研修では、京セラ式の系統図などの実習を通じて、品質問題に対して円滑な対応ができるよう実践力向上に努めています。
※ Customer Satisfaction:顧客満足
品質保証の取り組み
品質保証部門は、お客様のもとで当社の製品が常に安定して稼働するように、事前に市場を想定した評価および各種の信頼性試験を行うとともに、お客様の実際の使用環境を想定した検証試験を実施します。また、市場サポートを通してお客様の声にしっかりと耳を傾け、その声を次の新製品に反映させ、品質のPDCAが回る「ものづくり」を行っています。お客様により良い製品を提供できる品質保証体制の強化を図るため、当社は次の取り組みを実施しています。
- 1. 未然防止を目的とした新しい評価方法、検証技術を取り入れた信頼性検証への変革
- 2. 品質を工程で作り込む製造品質管理の改革
- 3. 市場でより安心して使用していただくために、市場でのサービスサポート品質の強化
- 4. さらに品質を維持させるために継続的な品質システムの維持管理
評価の変革
品質保証部門は、製品が市場で販売できるレベルかを評価し、また販売後に発覚した不具合に対して是正を行い、再発防止に努める役割を担っています。今までは過去のデータや経験をもとにした基準に基づき品質を評価していましたが、従来の手法ではニーズの変化や使用条件の異なる世界各国のお客様の要望を満たせなくなる懸念があります。そこで、新たに販売される製品の評価を行う前に、評価担当者一人一人が新技術や設計変更内容、動作要件、メカニズムを左右する因子を理解し、お客様が製品を使用する状況や使用される環境条件を踏まえた評価内容を検討します。その後、品質保証部門内で、予想される課題も含め、さらに評価内容についてディスカッションを行い、全員の知見や想像力から生まれた着眼点を考慮した評価内容を追加することにより、従来の基準では見過ごされていた課題にも対応した評価を行っています。このような評価を行うことによって、販売される製品品質に関する検証をさらに深め、起こりうる問題を開発段階から未然に防ぐことで製品の信頼性を上げ、お客様に満足していただける製品の提供へとつなげています。

検証の変革
検証手法のイノベーションにも取り組んでいます。従来は評価基準書をベースにして、製品仕様に記載している機能や性能を満足する製品であるか否かという基準で合否判定を行っていました。しかし現在では、量産時における性能のバラツキや、その原因対策だけにとどまらず、市場での使用条件を考慮した部品の挙動にまで踏み込んだ検証を行っています。また、技術的背景を理解したうえで製品の限界を知り、限界を超えた場合の故障モードを検証する取り組みを推進しています。



情報収集の変革
全世界の販社からの情報収集に関する重要な機能を担っているのが市場サポートチームです。販社からのさまざまな問い合わせや故障情報の窓口として、関連部門と連携し調査・回答を行うとともに、製品の品質改善や次期モデルへの反映の推進を担当しています。海外との時差や距離による情報収集の遅れを解消するため、市場サポートチームは、統括販社のテクニカル担当者とのミーティングを毎日実施しています。毎日直接販社と情報交換することにより、新たな課題を初期の段階から対処するとともに、将来的に起こりうるトラブルを予測し、早期対応を行うことにも役立てています。

情報分析の変革
製品が市場に出たあとに発生する問題は、製品を開発・改善していくうえで大きな参考資料となります。製品やサービスの品質に関わる市場データを世界中から収集・分析し、関連部門にフィードバックを行っていますが、その貴重な情報資源を有効に生かすために、収集方法や分析方法のイノベーションに取り組んでいます。製品開発や保守・サービスにおける課題解決への提案を、より具体的かつスピーディーに行うことを目的として、市場で稼働している製品から収集する稼働データ、サービス担当者による保守・サービス活動データ、保守パーツの出荷情報、コールセンターの受電記録などのデータを国内外から幅広く収集し、統計解析やテキストマイニングにより、品質リスクや障害要因を統合的に分析するシステムを構築しています。 このシステムから得られる分析データを活用することで、製品やサービスの継続的な品質向上を図るとともに、お客様の潜在的なニーズをくみ上げ、新製品の開発にフィードバックしています。
