サプライチェーン管理
購買活動の基本的な考え方
京セラグループの「購買活動に関する方針」を受け、グループ企業である当社では、サプライチェーンにおける公正な事業活動の実現に取り組むことで、グループの経営理念である「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の実現を目指しています。また、開発、生産、販売、サービスなど、一連の事業プロセスに関わるすべての企業が協力して社会の要請に応えていくことでサプライチェーン全体の相互繁栄が実現できると考え、お取引先様と積極的なコミュニケーションを図ることで、相互信頼にもとづくパートナーシップの構築に注力しています。
当社では、サプライチェーンのお取引先様や価値創造を図る事業者様との連携‧共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、2023年5月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。
購買基本方針
購買活動の基本的な考え方を「京セラドキュメントソリューションズ購買基本方針」として、法令の順守や環境保全活動などを明文化しています。お取引先様を選定するにあたっては、当社の基本的な考え方の理解・順守を条件としています。
- 1. 購買部門は、公明正大を旨とし「自利利他」の精神と、信頼関係に基づくお取引先様とのパートナーシップの構築・発展に努めます。
- 2. 購買活動において、各国の法令を順守するとともに、地球環境保全・資源保護などの社会的責任を果たしていきます。
- 3. 国内外すべての企業に、公平な機会を設け、公正な評価基準のもとに購買活動を行います。
- 4. 満足いただける商品を提供するための品質と価格の追求、安定供給の確保について、お取引先様とともに努力をし続けます。
公平公正な取引の実施
お取引先様のよきパートナーとして
当社は、お取引先様を専門知識と技術を持つ必要不可欠なパートナーと考えています。また、当社もお取引先様にとってよきパートナーであることを目指し、京セラフィロソフィをベースとした「公明正大」「自利利他の精神」に基づいて、お取引先様との共存共栄を追求しています。お取引先様の選定にあたり、「購買活動の基本的な考え方」をご理解いただけることを前提に以下の内容についての順守をお願いしています。
- 1. 法令と社会規範の順守
- 2. 技術力の提供と向上
- 3. 環境保全の取り組み
- 4. 健全な事業経営
- 5. お客様に満足いただける品質の確保
- 6. 価格低減の提供
- 7. 安定供給の確保
お取引先様が事業活動を行っている各国・地域の関連する法令・社会規範の遵守をお願いします。また、お取引先様から金銭物品の贈与、社会的常識に反する接待をお受けいたしませんので、お取引先様におかれましても、無用のお気遣いをなされぬようお願い申し上げます。
独創的な技術や特殊技術など先行技術力を有する部材の提案をお願いします。
環境の保全および環境マネジメントを積極的に行い、環境に配慮した事業活動、商品開発の取り組みをお願いします。
継続的な取引のためには、公明正大で健全な事業経営の推進をお願いします。
また、経営状況(財務状況を含む)の適正な情報開示をお願いします。
お客様に満足いただける商品を提供するために、各国、地域の必要な安全基準などの遵守と、当社の求める化学物質管理基準および最適な仕様・品質を満たす資材・役務の提供をお願いします。
市場競争力のある価格での資材・役務の提供と、継続的な価格低減努力の推進をお願いします。
お客様へ安定した商品提供と市場の急激な需給変動の要請に応じるため、確実な納期確保と、安定的かつ柔軟な資材・役務の供給をお願いします。
お取引先様との連携
CSR調達推進状況の把握と体制の整備
当社は、グローバルなサプライチェーンを通じた環境・安全・倫理・人事・管理システムの領域でのサステナビリティの向上を目指し、2021年12月にRBA(責任ある企業同盟 / Responsible Business Alliance)に加盟しました。
また、当社では、責任ある鉱物調達をはじめとする人権の尊重、災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関するBCP策定など、サプライチェーン全体で取り組まなければならないCSR課題に適切に対応するため、「京セラドキュメントソリューションズ サプライチェーンCSR調達ガイドライン」(以下、「ガイドライン」)を定め、お取引先様には取り組み内容にご同意、ご賛同いただいております。また、本ガイドラインに基づき、お取引先様のCSR活動に関する取り組み状況の調査を行っています。人権・労働、安全衛生、環境、倫理、管理体制などの各項目に関する調査を、毎年、海外のお取引先様含め実施しています。
当社にとって重要な原材料を供給していただいているお取引先様や、取引額の大きなお取引先様を中心に、全購入金額の80%を目安に重要サプライヤーとして特定し、CSR活動に関する調査を行うため「京セラドキュメントソリューションズ サプライチェーンCSR調査表」(以下、「調査表」)を用いて取り組み状況の回答をお願いしています。2022年は、海外拠点を含め約380社のお取引先様に調査を依頼し、取り組みが不十分と考えられる項目があるお取引先様には調査結果をフィードバックし、ガイドラインを用いて要求内容を説明するなど改善を依頼しています。
サプライチェーンCSR調達ガイドライン (発行2024年5月) (Ver.5) PDF
Supply Chain CSR Procurement Guidelines (Issue date: May 2024) (Ver.5) PDF
供应链企业社会责任(CSR)采购指南 (发行2024年5月) (Ver.5) PDF
サプライチェーンBCP調査
京セラグループでは、災害などにより製品・サービスの供給が中断した場合でも、速やかな復旧と操業再開を目指すことを方針に掲げ、お取引先様へ事業継続計画(BCP)の取り組み状況について調査を実施するとともに、BCP活動の推進を要請しています。
新たに重要な原材料や部材を供給いただくこととなるお取引先様には、BCPの重要性を説明し、対策の強化をお願いしています。また、前年度の調査で取り組みが不十分であったお取引先様については、改善状況を確認しています。
今後も、お取引先様に取り組みを推進いただけるよう、BCPの普及・浸透に努めていきます。
責任ある鉱物調達
京セラグループ企業である当社では、コンゴ民主共和国およびその隣接国で採掘される鉱物資源が人権侵害を引き起こしている武装勢力の資金源となっていることから制定された米国金融規制改革法(ドット・フランク法)や、EU紛争鉱物規則などの法規に対応しています。
また、OECDは全ての企業に対して「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」に基づいた「責任ある鉱物調達」を求めています。同ガイダンスに基づき定められた京セラグループ「責任ある鉱物調達方針」に沿って、金・錫・タンタル・タングステン・コバルト・天然マイカをはじめとする鉱物に、紛争や人権侵害などのリスクが存在するかどうかサプライチェーンを調査し、リスク評価、是正措置を行うなど、リスクの軽減やサプライチェーンの透明化に取り組んでいます。
お取引先様への調査では、責任ある鉱物調達問題に取り組む国際的な組織である「RMI※(Responsible Minerals Initiative)」が作成した「紛争鉱物報告テンプレート(CMRT)」を使用していますが、2022年度からは、新たにRMIが発行したEMRT(Extended Material Reporting Template)を用いて調査をすることで、さらに対象鉱物と対象取引先を拡大しています。
※ 責任ある鉱物と第三者が認定するプログラム。当社は2021年8月にRMIに加盟。