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2008年度特集
石龍工場におけるCSR活動

世界から信頼される中国No.1工場を目指して

世界から信頼される中国No.1工場を目指して

複合機、プリンターなどのほぼ100%と感光ドラムの生産を担う中国・石龍工場では、「中国No.1の工場を目指す」という一大目標に向かって、CSR経営を基本に据えた「ものづくり改革プロジェクト」を推進しています。そのため、京セラグループの経営理念である「京セラフィロソフィ」の中国人従業員への理解・浸透を図るとともに、部品の品質(グリーン調達)・従業員の組み立て品質・作業環境の品質を重視した品質第一のしくみの構築、および環境マネジメントシステムに基づく環境対策の着実な推進などにより、ステークホルダーの皆様に信頼される工場を目指しています。

中国の全国各地から集まった約7000名の従業員に対しては「物心両面の幸福」を約束。将来、工場の運営を任せられる人材教育から技術教育、福利厚生まで、さまざまな「現地化」プログラムを実施してモチベーションの向上を図っています。この特集では、石龍工場が行っている施策の全体像をご紹介します。

品質第一の「ものづくり改革プロジェクト」に着手

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中国広東省にある京セラミタ石龍工場は、当社と現地企業との合弁会社として2001年にスタートしました(現在、京セラミタ92.76%出資)。複合機、プリンターといった製品のほぼ100%と、感光ドラムを生産しています。

この工場におけるものづくりの基本方針は「品質第一」。お客様に信頼していただける高品質の製品づくりを実現するために、機械を構成するユニットの生産と、機械本体の生産のタイミングを合わせた「同期生産」や、機械1台毎の部品をキットケースに収め組立ラインに供給する「部品キット配膳」、作業中に問題が見つかれば、すぐに従業員が自らの判断でストップボタンを押してラインを止め、問題を早期に解決するKMPS(京セラミタ・プロダクションシステム)を導入し、不良品を入れない、造らない、出さない生産を目指しています。

また、現場製造力強化の取り組みとして、生産改革、調達改革、人材改革を事業ビジョンに掲げ、全員の力で中国No.1工場を目指す「ものづくり改革プロジェクト」を推進しています。

No.1工場とは、現実を変えられるエネルギーを持つ人間集団である「元気な工場」、無駄を発見して改善する「無駄なし工場」、そして販売を支援する立場での「感動される工場」と位置付けています。

世界から評価されるものづくりを目指して

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複合機、プリンター生産のほぼ100%を担う石龍工場では、部品の品質(グリーン調達)、従業員の組み立て品質、作業環境の品質を重視したしくみを構築しています。

KMPS(京セラミタ・プロダクションシステム)

京セラミタ石龍工場では従業員全員がものづくりに参加するKMPSを導入しています。これは、生産ラインの従業員が「いつもと違うことを感じたとき、自らの判断でラインを停止させることができ、問題が解決するまで稼働させない」という京セラミタ独特のしくみです。問題を先送りせず、早期に解決することで品質のばらつきを徹底的になくしています。

作業指導

組み立て品質向上策の一つとして、従業員自ら「私の作業標準書」を作成し、その手順に従って作業をしています。作業ミスが生じたときなどは、組長が経験だけに頼らず、その従業員の標準書に照らして指導します。

品質管理のしくみ

グリーン調達の徹底、受入検査の実施、ラインにおける部品キットの投入と同期生産の実施、ラインQC、完成品の全数検査など、石龍工場では、幾重にも品質管理を徹底するしくみを構築しています。出荷に当たっては、製造フロアごとに製品検査室を設けており、品質保証部がお客様の立場で検査を行い、良品であると判断した合格品だけを出荷しています。

改善活動

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「私の作業標準書」を
手に組長が指導
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QCサークル活動
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印字品質の検査
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カラー複合機の出荷検査

石龍工場では、従業員や監督者などがものづくりについて改善提案を行う「改善報告制度」を2008年4月から実施しています。

  • [改善報告制度]
    組長と従業員10人とがグループで、安全対策やラインなどの改善提案活動を行うもので、改善実施件数は毎月60~70件です。この活動には、やりがいや達成感の醸成とともに、従業員間のコミュニケーションを図るねらいが込められています。
  • [QCサークル活動]
    領班と組長10人とがグループで行う職場の改善活動です。リーダーの改善能力の向上を目指して、現在25サークルが活動しています。

「次の工程はお客様」の気持ちでしっかり取り組んでいます

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機器1製造部 C52ライン組長 周 愛玲(Zhou Ai Ling)

先輩から教えてもらったことを守って仕事に取り組んできたので技術も身につき、今では後輩に教える立場になりました。私たちの職場から製品が社会に出ていくわけですから、後輩がミスをしていないか、安易な姿勢で仕事をしていないかをしっかり見ていかなくてはなりません。品質を第一に考える京セラミタは私の誇りです。私はいつも「次の工程はお客様」の姿勢で取り組むように心がけ、よい製品を社会に送り出していきたいと思っています。将来は全生産ラインを見る管理者になりたいという夢を持って仕事をしています。

京セラフィロソフィの浸透を最優先

「ものづくり改革プロジェクト」を推進している石龍工場では、その実現に向けて、京セラグループの経営哲学である京セラフィロソフィを中国人従業員に理解・浸透を図る教育に取り組んでいます。

毎年実施している「フィロソフィ論文」の募集に、2007年度は中国人従業員にも参加を呼びかけたところ1000名もの応募がありました。論文の内容は京セラフィロソフィをよく理解して自分の仕事にリンクさせたものが多く、国の文化や習慣は違っても、人間の心は変わらないことが分かりました。しかも、中国人従業員の作品がNo.1に選ばれ、稲盛名誉会長賞を受けています。

植田総経理はこのような結果を踏まえて、「現地の人間が現場を変え、工場の運営にも参画できるような現地化への取り組みを今後もさらに進めていきたい」と抱負を語っています。

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